nononの落書き帳

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東北大学理学部数学科のAOⅡ期に合格したお話

 みなさんこんにちは。はじめましての方ははじめまして、nononと言います。この度(といっても4か月ほど前ですが)東北大学理学部数学科のAO入試(AOⅡ期のこと、以下AO入試東北大学AOⅡ期のことを指す)に合格しました。私自身、AO入試について調べる中で理学部数学科についてのデータが少なく不安になることが多々あったので、後輩にはこのような思いをして欲しくないっ!と思い、書き始めることにしました。文章を書くのは苦手なので読みにくいかもしれませんが、最後までお読みいただければ幸いです。

※この記事の内容はR5年度試験のものです。現在の試験形式と異なる可能性があります。

1. 高校入学~東北大を目指そうと思う高2冬までのお話

 あまりここで字数を使いたくないので簡単に書いていきます。
 私が入学した年は新型コロナウイルスの流行が始まった年でした。そのため6月まで対面での授業がありませんでした。そのため、この時期は数学をしていました。私は中学生のころは数学が特別好き、得意というわけではありませんでした。なのでこの期間に高校数学デビューをしたわけです。ちょうど同時期に数学の個別指導塾に通い始めたのも大きかったです(当時はコロナのためオンライン授業でしたが)。学校では習わないようなお話をいろいろ教えて下さました。
 また、高1の間は受験を真剣に考えていなかったように記憶しています。高2になってからもしばらくはそんな感じで過ごしていました。ただ、2つ上の先輩が東京工業大学に合格をし、大学生活がすごく楽しいという話を聞いていたので「東工大に行きたいなぁ」とぼんやりと考えるようになりました。
 真剣に進路を考え始めたのは夏過ぎだったと思います。両親からは「現役で国公立に行って欲しい」と言われていたので、国公立を受ける回数を増やしたいと思いながら進路を探していました。その中で見つけたのが東北大のAO入試でした。また、同時期に受けれる入試としては北海道大学のフロンティア入試、京都大学の特色入試などを調べていました。いろいろと調べていく中で「東北大、入りたい!」と思うようになり受験しようと決意しました。

2. 高2冬~高3夏までのお話

 多分、普通の受験生は共通テストに向けた勉強を始める時期だと思います。ただ、私は共通テストに向けた勉強はほとんどしていませんでした。というのも東北大AOがだめなら当然一般入試を受けるわけですが、共通テストがうまくいかなかったときは東工大を受けようと思っていたからです。もちろん東北大に行きたいと思っていましたが、共通テストの勉強に時間を割くよりもAOの対策をした方が東北大に受かる可能性が高いと感じていました。結果的にこの判断は間違っていなかったと思います。
 AOの対策としてはとにかくいろんな大学の過去問を解いていました。AOの過去問は直前まで取っておきたかったので、東大・京大・東工大・阪大などの難関校の数学の過去問を時間を計って解いていました。その中で自分が知らなかった解法・発想・考え方があれば必ずメモをしていました(このメモが見たい方はTwitterのDMに連絡お願いします)。ときにはその発想に関連した作問をしていました。ちなみに、この期間にあった1番大きな出来事はTwitterを始めたことです。Twitterでは数学ができる方々と話すことが出来るのでいい刺激をもらえました。ただ、Twitterを始めることがいいことかは人によるのでよく考えてから始めましょう(高1高2は積極的に始めてもいいと思いますが)。
 また、この時期は学校の成績をかなり気にしていました。東北大の出願条件の4.3に届くかギリギリだったのです。結果的には約4.27で四捨五入により何とか出願できることになりました。ちなみに、成績の返却日は体調を崩しており、担任の先生から電話で自分の成績を聞いていたのですが、受話器を持つ手が手汗でびしょびしょになっていました。

3. 高3夏~出願までのお話

 7月に部活を引退してからは基本的に一般の2次試験の対策を行っていました。ただ、AOを意識して数学の比率は増やしていました。以下にこの時期までにやっていたテキスト(数学のみ)を紹介します。

  • 青チャート(数研出版
  • フォーカス ゴールド(啓林館)
  • 理系数学の良問プラチカ(河合出版)
  • やさしい理系数学(河合出版)
  • 数学Ⅰ+A+Ⅱ+B 上級問題精講(旺文社)
  • 数学Ⅲ標準問題精講(旺文社)

そしてついに、夏休み直前に初めてAOの過去問(R2年度)を解きました。ネタバレ防止のため感想や出来や感想は 最後にまとめて書いておきます。
 そして受験生にとっての勝負の夏休みに入ります。私は予備校に通っていなかったので、基本的には家か学校で勉強をしていました。学校で夏期講習を開講していたので物化英を中心に受講しました。午前中は学校で授業、午後は家に帰って数学という日々を続けてきました。
 8月に入ってからは志望理由書を書き始めました。多分もっと早く書いた方がいいです。内容としては大学に入ってやりたいことを中心に書きました。志望理由書は高校の先生に繰り返し添削していただきました。かなりダメ出しをされ、結局完成したのは出願開始日でした。また、夏休みの終わりに2回目の過去問(R3年度)に挑戦しました(先ほど同様に出来や感想は 最後に書いてあります)。
 夏休みが明けてからは文化祭の準備と勉強の両立が大変でした。私の高校では夏休み明けの9月に文化祭を開催しています。そのため夏休みの後半から9月の第2週にかけては放課後に残っての準備をしていました。私は文化祭や体育祭といったイベントが好きなのでとても楽しんでいたのですが、家に帰ると一気に現実に戻される感じがとても嫌でした。
 文化祭が終わってからは、一般で受けようとしている人との温度差があり、徐々にメンタルが安定しなくなってきました。もちろん、この時期も先生と志望理由書について話していました。そして無事に志望理由書が出来たので送ります。出願開始から2日目に送りました。受験番号は理学部数学科の中で前から数えて3番目でした。

4. 出願~1次試験2日前までのお話

 無事に出願書類を出せたわけですが、書類不備がないのかとても不安になりました。両親とも何度も確認したので大丈夫だと言い聞かせていました。結果的に大丈夫だったわけですが「書類不備なし」の文字を見たときにはとても、とても安心しました。試験で落ちるならまだしも、書類不備で受けられないのは悔やんでも悔やみきれないですからね。
 書類を送ってからはとにかく数学をやりました。この時期にやる問題として個人的におすすめなのは名古屋大と東工大の数学です。1問にかけられる時間が長いのでより実践的な練習を積むことが出来ます。目安として名古屋大は2完2半、東工大は3完1半が安定してとれるようになれば多分大丈夫だと思います。私は名古屋大は基本的に全完か3完1半、東工大は3完2半か4完1半くらいをとっていました。
 また、私は横浜に住んでいたので新幹線とホテルを予約しました。受かるか不安だったので1次試験の分だけです。このあたりの予約は早めにすることをおすすめします。遅くなると好条件のものが残っていなかったり、探すのに時間がかかったりして試験とは関係ない部分で焦ることになってしまいます。余談ですが私は旅行会社のサービスを使い予約したので、予約完了の連絡に「旅行」と来ており、これが少し嫌でした。
 この時期は毎日が不安でしょうがなかったです。同級生が受験生なので先輩や後輩によく相談に乗ってもらっていました。本当にありがたかったです。また、メンタルを安定させるのに過去の自分が作っていた メモがとても役に立ちました。試験中に不安になったときにやればいいことなどを書いていた昔の自分にとても感謝です。そして、ついに3回目の過去問をやりました(出来や感想は 最後に書いてあります)。この結果を見て、実力通りの力が出せれば(といってもこれがとても難しいわけですが)受かるだろと思うことができました。
 そのあとはとにかくミスを減らすこと、1回見た解法を本番で思いつかないことがないように、ということを意識して勉強しました。私はiPadで勉強をしていたので今までに解いた問題を出来る限り振り返り、どのように解いたのか、どこで詰まってしまったのかを繰り返し確認していました。一方で、初見の問題に対応する力を失わないようにいろいろな大学の問題を解いていました。ただ、京大特色を解いたのは失敗だった気がします。とても難しく、せっかく手に入れた自信を失いかけました。

5. 1次試験前日のお話

前日はいつも通りの時間に起きることが出来ました。朝10時頃の電車に乗り仙台に向かいました。東京駅で父と合流して駅弁を買い、その後新幹線に乗りました。新幹線の中では、過去問を解いたの自分の解答と先生にいただいた添削を読んでいました。途中でお腹がすいたので駅弁を食べました。美味しかったです。仙台についてすぐにホテルに向かい、チェックインしました。そしてホテルから試験会場の東北大学青葉山キャンパスまでの道順を確認しました。その後、時間があったので川内キャンパスまで歩いて向かいました。川内キャンパスで記念撮影をしてホテルに戻りました。少し数学をした後は晩御飯です。慣れないものを食べるのが怖かったのでサイゼリヤに行ってミラノ風ドリアとカルボナーラを頼みました。間違い探しを全完出来たので嬉しかったです。コンビニに寄って次の日の朝食を買ってからホテルに戻りました。ホテルに戻ってからは自分のメモを読み直し、京大の問題を2問ほど解き、10時過ぎに寝ることにしました。寝る直前は試験のことを忘れたかったので持ってきていた小説を読みました。そして、問題なく寝ることが出来ました。

6. 1次試験当日のお話

 前日の緊張感の中でもとてもよく眠れてほっとしました。ホテルの朝食が7時からだったので、ホテルで食べると時間がギリギリになってしまうということでコンビニで買ったおにぎりを食べました。その後1人で会場に向かいました。会場に着いたのは集合時間の1時間ほど前でした。その時点でかなりの人がおり、驚いた記憶があります。ちなみに理学部は数学科だけではなくほかの学科も集合場所が一緒です。人がたくさんいることに驚かないようにしましょう。
 集合時間になると全体に向けての説明が簡単にあり、その後、系ごとに試験教室に移動します。試験教室に着いたのは9時過ぎでした。その瞬間が飲み物を飲める最後のチャンスだったはずです。試験時間が長いので水分補給をしっかりしましょう。その後試験問題や計算用紙、解答用紙が配られます。指示に従い試験開始を待ちます。そしていよいよ試験開始です。以下試験についての盛大なネタバレを含むので読みたくない方は こちら(1次試験後のお話)まで飛ばしてください。

(ネタバレ防止用)

試験中のお話

 試験開始直後、全ての問題に目を通しました。見た感じ大問1,4は解けそう、大問2は手を動かしたらなんとかなりそう、大問3に少し長めに時間をとりたいなと思いました。ということでまずは大問1に取りかかりました。
大問1:(1)は帰納法で示しました。見るからに3乗をしてくれと言っているので3乗をしてから計算をします。これでいい感じにできます。(2),(3)は(1)を使うと割と簡単に示せますね。(4)は(2),(3)ほどシンプルではありませんが与漸化式と示した不等式を組み合わせれば解けます。ここまでだいたい30分くらいだった記憶です。
 次に大問4に手をつけました。
大問4:言うことはありません。絶対値の中身の正負で場合分けをして微分をするだけです。計算ミスに気をつけながら丁寧に記述します。途中で計算ミスをしたので40分ほどかかった記憶です。計算ミスに気づいた自分を褒めてあげたいです。
 少し疲れていたので大問3に手をつけました。とりあえず周期性などからxの範囲を絞って検討をつけようと思いました。いろいろいじっていると、どうやら(1)は解が無さそうでした。考察にミスがありそうで不安だったので一旦リフレッシュするためにトイレに行きました。しかしトイレでもこの問題を考えてしまいリフレッシュされなかったので記述に入る前に大問2に手をつけました。
大問2:(1)はい。描くだけです。(2)は偏角と絶対値に分けて考えました。条件から文字を絞り込みやすかった記憶です。ここで(3)に入る前に大問3に戻りました。残り時間を考えるとその方がいい気がしたのです(これが成功だったのか失敗だったのかは誰にも分かりません)。
大問3:(1)範囲が  0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}に絞れるのであとは相互関係式などを用いて示しました。多分減点されてる気がします。(2)はミスをしました。\cos(\cos(\cos(\dfrac{\pi}{2}))) を計算すべきところで \cos(\cos(\dfrac{\pi}{2})) を計算してしまったのです。みなさんはこういうミスに気をつけましょう。おそらく想定解答は  x=0,\dfrac{\pi}{2} を代入して中間値の定理です。
 そして大問2に戻りますが試験時間は残り5分。(3)の解答に「解と係数との関係を使う」とだけ書いてタイムアップ。実力が出し切れたとは言えない結果に悔しさが残りました。

 点数開示によれば155/200で全体2位ということでした。内訳はわかりませんが50-25-30-50くらいかなぁと思っています。

おまけのお話(ほかの合格者の話を聞いて)

 私は1,4,2,3の順に簡単に感じましたがほかの合格者と話していると1,4,3,2という意見が多くて驚きました。私が三角関数をあまり得意としていなかったのもあると思いますが。ただ、合格者はみな(論述ミスによる多少の減点はあるとしても)1,4は解けている、といった印象です。得点としては120~170くらいでした。1次試験の通過だけならば100点ちょっとで通ると思います。

1次試験後のお話

 まずは父と合流するために仙台駅に向かいました。その途中でグラフ描画ソフトなどを使い自分の解答があっているかを確認しました。そこで間違いを見つけたときにはとても悲しかったです。父に会ってすぐにお昼ご飯を食べに行きました。旅行会社のサービスを使っていたおかげ(?)で旅行クーポンが使用できたのでちょっと高めの牛タンを食べました。とても美味しかったです。その後帰りの新幹線まで時間があったので先輩の家にお邪魔させていただきました。試験の感想や先輩の大学の話などを聞きました。帰りの新幹線で解けていなかった問題を解き、家に帰ってからはすぐに寝ました。

7. 1次試験の合格発表までのお話

 合格発表を待つ時間ってつらくないですか?私はつらかったです、とても。この時期は何を勉強すればいいのかにとても悩みました。私は英語を中心に、ときどき物化を挟むというような形をとっていましたが、その勉強に100%集中できていたと言ったら噓になります。どうしても1次試験の結果、そして2次試験のことを考えてしまいました。学校で授業を受けている間は多少集中できていましたが、友達と別れて1人になった後の帰り道はかなり精神的に大変でした。毎日のように「あれだけ取れたら大丈夫」と「自分がもっと取れたのだからもっと取れてる人もたくさんいる」という相反する気持ちを繰り返していました。
 そんな日々を繰り返し、ようやく合格発表日になりました。誰かと一緒に見るのが怖かったので学校で1人になれる場所に行き、そこで17時を待ちます。SHRが終わるのが16時ごろだったので1時間ほどの時間を一人で過ごしたことになります。1人でいるとどうしても時間の流れが遅く感じられるのでYouTubeを見て時間を過ごすことにしました。勉強とは全く関係ない動画を見ていましたがあまり効果はありませんでした。歩き回ったり、本を読んだり、数学をしたり、5分おきにやることを変えて何とか時間をつぶしました。そして迎えた17時。ずっと知りたかった結果なのに怖くてあと少し進めませんでした。どうにか決意して画面をタップ。受験番号が小さかったのですぐに自分の番号が見つかりました。このときは嬉しさよりも安堵の気持ちが勝っていました。その後LINEで先輩や後輩、親に報告をし、Twitterでお世話になった方に報告し、職員室で先生に報告し、ようやく実感が湧いてきました。また、職員室では中学校から同じ学校に通っている同級生も工学部の1次試験に合格したということで2人で喜びを分かち合いました。

8. 2次試験の前日までのお話

さて、無事に1次試験に合格した私ですが次は2次試験です。面接です。面接のデータが何一つなく、完全に真っ暗闇の中を手探りで探していかなければなりませんでした。とりあえず他大学の数学科の推薦入試や東北大の他学部の面接などを参考にしながら面接対策をしました。その過程で工学部を受験していた彼とはともに切磋琢磨し、互いの面接力を高めあっていきました。毎朝空き教室で想定質問をし合い、互いの志望理由書を読み気になるところを指摘しあい、話し方やマナーを勉強しました。放課後には先生に模擬面接をやってもらい、一つ一つ苦手な部分を修正していきました。この1週間はとにかく時間がありません。先週を無駄に過ごしたことを何度も後悔しました。
 そしてあっという間に金曜日、試験前日です。1次試験と違い2次試験は母と向かいました。そしてもう1つ、1次試験と違うことがありました。なんと新幹線の予約がいっぱいでグリーン車に乗ることになったのです(母曰く、1次試験の合格発表当日にチケットを探したがその時点で指定席はすべて埋まっていた、とのことです。皆さんは早めに予約をしましょう)。人生で初めてのグリーン車です。シートもふかふか、フットレストもあり、シートも広々としており快適でした。仙台についてすぐホテルに向かいました。しかしここで問題が発生します。ホテルの予約ができていなかったのです(正確に言えばベット2つの部屋を予約したのですが、なぜかダブルベッドの部屋になっていました)。フロントに確認を取り、何とか部屋を確保することが出来ました。部屋に入ってからはとにかく面接練習の振り返りシートを繰り返し見ながら、頭の中で繰り返し練習をしていました。その後夜ご飯を食べ(お寿司でした!)、1次試験と同じように眠りました。

9. 2次試験当日のお話

 この日もよい目覚めでした。また、1次試験と異なり、朝の時間に少しだけ余裕があったのでホテルで朝ごはんを食べました。受験生っぽい人も何人か見かけました。そして会場に向かいました。会場は1次試験と同じ場所(最初の集合場所ではなく試験を受けた教室)でした。案内の方などはおらず、自分の歩いている道が合っているのか不安になりましたが、無事集合場所にたどり着きました。集合時間になると担当の先生から試験の流れを説明されます。試験の流れは以下の通りです。

  1. 順番に呼ばれるので(だいたい15分おき)隣の教室に入る
  2. 隣の教室に置かれている問題を15分間考える(筆記用具は用意されている)
  3. 時間になると面接室に呼ばれるので中に入り面接を受ける
  4. 面接の最後に簡単な英語のspeakingを行う

待っている間は電子機器は使えませんが参考書は使えたはずです(とても記憶が曖昧です、間違っていたらすみません2023年12月9日追記:R6年度入試においては電子機器使用不可、参考書は大丈夫だったとのことです)。私の番になり、隣の部屋へと案内されました。そこには荷物を置く机、問題の置かれた机、そして監督の先生がいらっしゃいました。私の解いた問題は以下のようなものでした。

n を正の整数,c を実数,a_i(i=0,1,\cdots,n) を正の実数とし多項式 P(x) P(x)=a_0x^{n+1}+a_1x^{n}+\cdots+a_{n} x+c で定める.ただし P(x)P(1)=0 を満たす.また Q(x)=\dfrac{P(x)}{x-1}とする.このとき以下の問いに答えよ.

(1) Q(x) が実数 b_0,b_1,\cdots,b_n を用いて  Q(x)=b_0x^{n}+b_1 x^{n-1}+\cdots+b_{n-1} x+b_n と表せることを示せ.さらに 0\lt{b_0}\lt{b_1}\lt\cdots\lt{b_n} が成り立つことを示せ.

(2) -1\leqq{x}\leqq1 の範囲で P(x)\leqq0 となることを示せ.また P(x)=0 を満たす実数 x を全て求めよ.

(3) -1\leqq{x}\leqq1 の範囲で Q(x)\ne0 であることを示せ.

私は15分間で(2)まで解くことが出来ました。その後面接室に案内され、ついに面接開始です。教室に入ると黒板の前に案内されました。最初の質問では問題の感想を聞かれました。ごめんなさい、この質問になんと答えたのか全く覚えていません。その次にどのように解いたのかを黒板を使って説明するように求められました。(1)の前半部分は P(x)x=1 を根に持つことから (x-1) を因数に持つので Q(x) が与えられた形で書けるといった記憶があります。後半部分は (x-1)Q(x)=P(x) を展開することで  P(x) の係数が正の条件と合わせてほしい不等式が得られます。(2)は私は微分して考えることで出来る、という方針でやっていたのですが途中で致命的なミスをしており(なので前述の「(2)まで解くことが出来ました。」は嘘ですね、これを書いているのがエイプリルフールなので許してください)そこを指摘されました。そこでヒントをいただきその場で(2)を解きなおしました。無事にその場で解くことが出来ました。P(1)=0 なので c=-(a_0+a_1+\cdots+a_n) となり、これを与式に代入して各係数でくくってあげると解けます。(3)に移ろうとしたところでタイムアップと言われてしまいました。最後にspeakingの試験です。speakingでは英文の音読と30秒~1分のスピーチを行いました。難易度としては英検2級よりも少し簡単、といったところでしょうか。3分程度でspeakingが終わり面接終了となります。 正直、何も爪痕を残せなかったので落ちた気しかしていませんでした。
 その後母と会い仙台駅でお昼ご飯を食べました。唐揚げを食べました。1次試験と異なり新幹線の時間が早かったのですぐに横浜に帰りました。後輩にお土産の牛タンを渡して少しお話をして家に帰りました。正直落ちたと思っていたのでせめて半日くらいは休息を入れようと思ってこの日は勉強をせずに寝ました。

10. 2次試験の合格発表までのお話

 再び合格発表を待つ時間です。1次試験よりも手ごたえがないのでさらにつらい1週間となりました。一切勉強が手につきません。そこで、母と相談して合格発表までのこの期間は勉強はとてもやる気があるときだけに限定し、ワールドカップを見ることにしました。日本代表、熱かったですね~。ダラダラと1週間がたち金曜日になりました。1次試験の発表時と同じような過ごし方をしました。時間になり、手汗でベタベタの手で合格発表サイトを開きます。覚悟が出来ていたので1次試験ほど躊躇うことなくページを開きました。そうしたら目に飛び込んできたのです、私の受験番号が。学校の隅で1人で涙ぐみながら飛び跳ねる成人男性(18)の完成でした。1次試験と同じようにみんなに合格の報告をし、お世話になった先生方に感謝の気持ちを伝え、私の受験が終わったのです。

11. 最後に

 このようにして無事に東北大学に合格しました!わーい!ちなみに2次試験の結果は100/100でした(なんでこの点数なのかは本当に不思議です)。2次試験は問題が解けなくても点数をくれる可能性があるので受験する皆さんは心配しすぎずに結果を待ちましょう。もしこの記事に関して何かご意見や質問がありましたらTwitter(@nonon_math)のDMまで連絡をお願いします。出来る限り皆さんの受験の力になれればと思います。数学科志望以外の方でも聞きたいことがあれば連絡してください、その学部・学科の方に質問するくらいなら出来ると思います。
 拙い文章でしたが最後までお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いできる日を楽しみにしています。

最後に私が過去問を解いたときの結果や感想を載せておきます。

過去問記録

過去問記録①(R2年度)

結果としては1完3半でした。これが高いのか低いのかはわかりません。

大問1:誘導が丁寧で解きやすかったです。3乗根の扱いが出来れば解けると思います。
大問2:(3)までは解けました。(4)で計算をミスしました。こういう計算をちゃんと合わせられるようになろうと思いました。
大問3:多分今回の中で最難です。私は(1)のみ解けました。(2)は簡単な方針だけ書けました。(1)は複素や積和→望遠鏡和などいろいろなやり方が考えられます。(2)は極値に注目して帰納法を回すことまでは書けましたが具体的な計算の部分が解けませんでした。 試験時間が終わってから(2)を解いてみましたが正直これはこのときの私の実力では解けないと思いました。
大問4:(2)までは何とか解けましたが(3)は誘導をうまく使えませんでした。TwitterでFFの方に解説していただき感動した記憶があります。

 体感135/200(50-35-20-30)といったところでしょうか。この時期の私は8割くらいとらないと受からないと思っていたのでかなり焦りました。

過去問記録②(R3年度)

結果としては2完2半でした。試験慣れしていないことを痛感しました。

大問1:シンプルな確率です。直感的にも答えが予測しやすいので解きやすい問題だと思います。
大問2:(1)は鳩ノ巣です。知らないと書きにくいかもしれません。(2)は正三角形をイメージしながら配置しました。学校の先生に採点を頼んだのですが、(2)の記述が不十分だということで減点をされました。
大問3:対偶をとって記述しました。必要以上に細かく場合分けをしてしまい、記述量が増えてしまったためかなり時間を使ってしまいました。
大問4:(1)は出来ました。(2)は計算量が多く、最後まで解ききることが出来ませんでした。大問3で時間を使いすぎたのが敗因です。

先生の採点によると160/200(50-40-50-20)でした。点数自体は満足でしたが時間配分のミスで実力が出し切れなかったのでとても悔しかったです。

過去問記録③(R4年度)

結果としては2完2半でした。R3年度よりも難易度が高い気がしました。

大問1:一般の正 n 角形の周の長さを三角関数を用いて表して解きました。最終的に x\tan x の大小比較に帰着できます。
大問2:この問題すごくいい問題だと思います。分母を払ってから積の形を作ることで解けます。条件を見ながらうまく絞り込んでいきました。
大問3:(2)までは解けましたが(3)は方針が全く立ちませんでした。最終的な結果がかなり直観に反しており面白いと思います。
大問4:(1)のみできました。大問3の考察にかなり時間を使ってしまっており、(1)が終わったところで残り5分ほどでした。

先生の採点によると150/200(50-50-30-20)でした。この問題で当時の私が出せる限界に近かった気がします。また、この試験を解いた後にTwitterで1次通過の最低点よりも高いことを知り安心しました。